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小原 建治郎
原子力eye, 48(2), p.46 - 48, 2002/02
ITERの容器内遠隔保守装置の耐放射管理を必要となる高線量率・高照射量測定が可能なカラー線量計の開発を進めている。本線量計は、陽極酸化アルミニウムの被膜中にアゾ系染色を含浸させたもので、線照射による線量の退色の度合いを分光式色差計にて、マンセルの色立体に基づく色相/彩度,あるいは明度として測定する。本稿では、開発の背景,特長,試験の概要,今後の展開について平易に解説した。
小原 建治郎
放射線と産業, (92), p.56 - 60, 2001/12
高線照射下(1~10kGy/h)で長期間使用されるITER用遠隔保守装置の照射量測定が可能な線量計を開発した。線量計は、測定範囲が1MGy以上で、それ自体が耐放射性を有することのほか、取り扱いが容易で低価格,狭隘部への取り扱いが可能でなければならない。このための線量計として、陽極酸化アルミニウム被膜中にアゾ系染料を含浸させ、照射量による染料の退色変化を分光式色差計で測定し、照射量を求める線量計を開発した。これまでに、線量率10kGy/hで15MGyまで測定できる線量計を開発したが、さらに高照射量測定を目指すとともに低線量率,低照射量対応の線量計の開発も進めている。
小原 建治郎; 多田 栄介; 小泉 興一; 八木 敏明; 森田 洋右
Proceedings of Radiation Effects on Components and Systems (RADECS 2000), p.214 - 218, 2000/09
ITERの炉内遠隔保守装置(RH)は、約10kGy/hの線環境下で長時間使用される。したがって、RHの健全性を管理するうえで、RHの積算線量をモニタすることはきわめて重要である。しかしながら既存の線量計の測定限界は1MGy程度でありRHの線量計には適さない。開発を進めている着色アルマイト線量計(以下線量計)は、酸化アルミニウム皮膜中に浸透させた染料が、線の照射料に比例して退色することを利用したもので、退色はマンセルの色立体を基準とする色相/彩度,明度の変化をして分光式色素計にて測定される。線量率10kGy/hでの積算線量10MGyまでの試験の結果、アゾ染料系の赤色線量計は、青,緑色線量計に比べ線に対する感度、再現性に優れ、照射後の表面損傷、腐食も認められず、高線照射下での線量計として使用可能であることが判明した。
久米 民和; 青木 章平; 佐藤 友太郎*
日本食品工業学会誌, 25(1), p.29 - 35, 1978/01
ウィンナーソーセージ(V.S)に1.0Mradまでの線を照射したときの色の変化について検討した。この結果、V.Sは照射により退色し、特に赤色色素成分が減少することが認められた。また,照射時に存在する酸素量が多いほど退色が著しくなる傾向が認められた。官能検査の結果、99%の信頼度で非照射試料との間に有意差が認められる線量は、市販V.Sの場合窒素置換で1.0Mrad(95%の信頼度では0.5Mrad)、空気封入で0.5Mradであり、酸素置換では0.3Mradですでに有意差が認められた。一方特定総合研究用の特性V.Sの場合は市販V.Sより退色し難く、窒素置換では1.0Mradまで有意差は認められず、市販包装状態(窒素気流中で包装)では1.0Mrad、空気封入では0.3Mradで有意差が認められた。また、照射V.Sの抽出色素成分の540nmおよび340nmにおける吸光度変化等から、呈色基であるニトロソヘム化合物の減少およびヘム部分のポリフィリン核の開裂が生じていることが推定された。